忍者ブログ
04
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 管理画面
    プロフィール
    HN:
    三浦 真司
    Webサイト:
    性別:
    男性
    職業:
    楽習堂塾長
    自己紹介:
    岐阜県羽島郡笠松町の学習塾の経営者です。
    【出身高校】
    岐阜県立岐阜高等学校
    【出身大学】
    慶應義塾大学経済学部
    P R

    2020センター数学ⅡBの簡略な解説

    前回の2020年大学入試センター試験「数学I・数学A」の解説に続いて、今回は2020年大学入試センター試験「数学Ⅱ・数学B」の解説を行います。

    問題と回答は様々なメディアで公開されていますが、ここでは地元の中日新聞のセンター速報サイトを紹介しておきます。https://edu.chunichi.co.jp/pages/center2020/

    問題をみながら、以下の解説を読んで下さい。

    【第5問】(確率分布と統計的推測)の問題は、普通の高校生が取らないので、解説を割愛させて頂きます。



    【記号に関する注意】
    ブログでは、本来の数学の表現法を十分に記入できません。なので、本来的なものとは異なる表現を用います。

    ※x^y…「xのy乗」という意味。
    ※∫[a,b]f(x)dx…「f(x)のx=aからx=bまでの定積分」という意味。
    ※a_k…kは数列aの添え字のつもり。
    ※Σ{a_k}[k=1,n-1]…「a_kのk=1からk=nまでの和」という意味。
    ※ABv…「ベクトルAB」という意味。



    【第1問】(三角関数、指数・対数関数)

    〔1〕の三角関数の問題は、不等式の解法や三角関数の合成の仕方を知っていれば、容易なのではないでしょうか。

    最後のθの範囲を求める問題は、sinθ=4/5を導いてから、π/4やπ/3あたりのsinの値と比較してみましょう。分数や平方根の大小関係の比較ができれば、1/√2<4/5<√3/2であることがわかるので、 
      sin(π/4)<sinθ<sin(π/3)
    となります。0≦θ≦π/2でsinは単調増加するので、π/4<θ<π/3であることがわかります。

    もちろん、cosθ=3/5を使って比較してもいいですよ。但し、cosは単調減少になる点だけ注意しましょう。

    〔2〕の(1)の指数関数の問題は、t^(1/3)=kとおいて、2乗や3乗の展開公式や因数分解の公式を駆使すれば、解ける問題ですね。

    〔2〕の(2)の対数関数の問題は、2X+Y≦10と3X-Y≧-4を導くところまでは、真数部分の積や商を和や差に直す公式を使えば、容易いはずです。

    これらの不等式から、
      (Y-4)/3≦X≦(10-Y)/2…①
    という関係を導き、最左辺と最右辺を比較するYの不等式を解くことで、
      Y≦38/5=7.6
    が導かれるので、Yの取り得る最大の整数値は7とわかります(.6まで計算する必要もないけど)。

    更に、Y=7を①に代入すれば、1≦X≦3/2です。これを導けたからといって、
    「最後の答えは、x=1だ!(^.^)」
    とか答えないで下さいよ…(*_*;

    大文字と小文字の違いにしっかり注意しましょう。大文字のXの条件を、小文字のxの条件に直す必要があります。小文字の条件に直すと、3≦x≦3√3=√27なので、xの最大整数値は√25=5となります。



    【第2問】(微分法、積分法)

    (1)の接線の方程式を求める問題は、かなり誘導があります。「同じ直線を表す⇒係数比較」に気づければ、容易いと思います。

    (2)の交点のx座標を求める問題は、単に連立方程式を解けばいいだけですが、ここでx=aという座標を出すことに失敗してしまうと、その後がどうにもならなくなります…(*_*;

    次の求積問題は、先の問題でCとℓの接点のx座標が0であることがわかっていれば、
      S=∫[0,a]{(Cの式)-(ℓの式)}dx
    を計算するだけです。ℓとx=0とx=aで囲まれた部分は、台形の面積公式を使って導く手もありますが、(Cの式)-(ℓの式)=x^2という簡単な式になるので、余計な手間をかけるだけになってしまうでしょうね…(^^;

    (3)の問題が、ここの大問の成否を分けるのではないでしょうか。ここで、CとDの交点のx座標がx=aであるということが重要になってきます。

    0≦x≦1区間のCとDとℓで囲まれた面積Tを求めるわけですが、a>1だと、区間の右端よりCとDの交点がずっと右に行ってくれます。なので、Tの上側の境界線は常にCです(Dはもっと上にある)。その結果、Tの面積計算にDが全く関与しなくなります。x=0でCとℓが接することも考慮すると、Cとℓとx=1の囲む面積を求めれば十分になるわけです。

    ところで、Cとℓとx=aの囲む面積は、(2)で求めています。この問題のaを1に変えるだけで、Cとℓとx=1の囲む面積は出せてしまうわけです。本来的にはaと1は別の数字なのですが、面積の求め方が同じになってしまうので、(2)の結果を利用しちゃうのがお利口なんです。ある意味、反則技だけど…(^^;

    ってことで、(2)の問題で求めたS=a^3/3にa=1を代入した1/3が、a>1の場合のTの値です。

    次の1/2≦a≦1の場合は、色々と考えないといけません。まず、a≦1なので、0≦x≦1区間の中にCとDの交点のx座標が入り込んでしまいます。そのため、0≦x≦a区間ではTの上側の境界線はCですが、x≧a区間ではTの上側の境界線はDになります。x=aを境にして、計算の仕方を変える必要が出てくるわけです。

    しかし、0≦x≦a区間の計算は、既に終わっています。これは、(2)で求めたSに他ならないからです。なので、新たに考える必要が出てくるのは、x≧a区間の面積計算です。

    x≧a区間の左端は当然x=aですが、右端はどこでしょう?Tは0≦x≦1区間の面積を求めるのですから、右端はx=1と考えるのは早計です。なぜかというと、Dとℓの接点のx座標(これは、x=2aであることを前の問題で求めている)が1より左側にある場合、この接点のところでTの領域が閉じてしまうため、右端はx=2aということになるからです。

    ところが、この可能性はありません。それは「a≧1/2とする」という条件が与えられているからです。この条件は2a≧1であることと同値ですが、これは「Dとℓの接点のx座標x=2aは、Tの区間の右端x=1よりも左側に来ることはない」ということを意味しているわけです。なので、Tの右端は、やはりx=1なんです。

    これで、Dとℓに囲まれたx≧a区間の面積計算は、a≦x≦1の間で考えればよいということがわかります。Tのうちの0≦x≦a区間の面積はSに等しかったわけですから、a≦x≦1区間の面積はT-Sと表せるので、
      T-S=∫[a,1]{(Dの式)-(ℓの式)}dx
    で計算できます。これで、Tが求まりますね。

    最後のUの最大値を求める問題は、まず先の問題で求めたSやTを代入すれば、Uがaの3次関数として表現できます。ここで、dU/da=0とすると、a=2/5とa=2/3が得られます。U(a)の3次の項は負なので、a=2/5の方で極小値、a=2/3の方で極大値を取ります。2/5<1/2<2/3<1なので、1/2≦x≦1の範囲のUの最大値はa=2/3の場合であることがわかります。



    【第3問】(数列)

    最初の部分を読んで、
    「なんやねん、このワケのわからん漸化式は…(;´Д`)」
    と焦ってしまうと、全く解けなくなってしまう可能性があります。しかし丁寧に誘導してくれるので、その誘導をしっかり把握することが大切です。

    まず、a_2やb_1の数値は、与えられたa_(n+1)やb_nの式に、予め与えられているa_1=0という条件とn=1を代入してしまえば求められます。b_(n+1)は、問題の指示を踏まえて計算するだけです。ここからb_(n+1)-b_nを導く際に、部分分数分解の知識が必要になります。

    次のΣを求める2つの問題は、それぞれ部分分数の和と等比数列の和を求めればよいわけですが、通常のΣ計算のようなk=1からk=nまでの和ではなく、k=1からk=n-1までの和であることに要注意です。特に等比数列の方は、初項がなんであるかにも気を付けましょう。

    Σ{b_(k+1)-b_k}[k=1,n-1]=b_n-b_1であり、更にb_1=0であることは前に導いているので、求めさせられた1番目のΣから2番目のΣを引いたものが、b_nに他ならないわけですね。これを計算して整理することが求められています。求めた後で、問題で言われている通りn=1でも成り立つのかどうかを確かめてみると、検算にもなります。

    b_nが正しく出せれば、与えられているa_nとb_nの関係式から、a_nを求めることができます。

    次の3で割った余りを出す問題。求めたa_nの一般式は、
      a_n={3^(n-1)}(n^2-4)+(n+1)(n+2)/2
    となっています。{3^(n-1)}(n^2-4)は3の倍数になっているので、余りが出るとしたら(n+1)(n+2)/2の部分から出てくることに気づきたいですね。なので、この部分を3で割った余りを確かめれば十分です。

    この部分にn=3k,3k+1,3k+2をそれぞれ代入してみると、
      (3k+1)(3k+2)/2=3(k^2+k)+3k(k+1)/2+1
      (3k+2)(3k+3)/2=3(k^2+2k+1)+3k(k+1)/2
      (3k+3)(3k+4)/2=3(k^2+3k+2)+3k(k+1)/2
    になっています。それぞれの第一項は3×(整数)の形になっているので、3の倍数です。第2項は全て3k(k+1)/2ですが、kとk+1が連続する整数なのでどちらかが偶数です。なので、分母の2は必ず約分して消去できるため、3×(整数)つまり3の倍数になります。となると、残った部分が余りなんですね。なので、余りはそれぞれ1,0,0です。

    …記述式の試験ならこういう風に答えるべきですが、マーク式の試験で答えを出すときはもっと楽な方法を選んだ方がいいです。kがどんな整数でも余りは同じになるはずですから、k=0を代入しちゃいましょう。すると、
      (3k+1)(3k+2)/2=2/2=1
      (3k+2)(3k+3)/2=6/2=3
      (3k+3)(3k+4)/2=12/2=6
    となるので、答えわかっちゃいます。(^^♪

    最後の和を3で割った余りの問題。{a_n}の和を取った時、3の倍数の項は割り切れるに決まっているので、余りの和を計算すれば十分です。{a_n}の3の倍数番目の項の余りは1、それ以外の項の余りは0でしたから、1から2020までの余りの和は、1から2020までに含まれている3の倍数の個数に一致するわけです。2020を3で割れば、その個数は計算できるわけで、673だとわかります。それを更に3で割ると、余りが1になることがわかります。



    【第4問】(空間ベクトル)

    (3)のCBvを求めるところまでは、ベタに計算する以外の道はないんじゃないでしょうか?垂直なら内積0であることは必須知識です。

    ここまでの計算結果と与えられた条件から、
      OAv=(3, 3, -6)
      CBv=(2, 2, -4)
    になっているので、
      CBv=(2/3)OAv
    であることがわかります。よってOAとBCは平行です。

    ABとOCの位置関係を確かめるためには、ABvとOCvを導いてしまうのがよいでしょうか?
      ABv=(-1+2√3, -1-2√3, 2)
      OCv=(2√3, -2√3, 0)
    になっています。OCvのz成分が0でABvのz成分が0ではありませんから、OCvを何倍したところでABvと等しくなりません。なので、ABとOCは平行にはなりません。

    以上から、四角形OABCは一組のみの対辺が平行なので、台形になることがわかります。

    台形OABCのBCを上底、OAを下底と捉えた場合、OA⊥OCという条件から、OCが高さに相当します。OAとOCの長さは先の問題で計算済みですので、台形OABCの面積計算に必要になるのは、BCの長さを残すだけです。CBvの計算結果からベタに絶対値を求めるのは、効率悪いです。CBv=(2/3)OAvなので、BCの長さはOAの長さの2/3倍であることに気づきたいです。OA、BC、OCの長さが求まったら、台形の面積公式を適用しましょう。

    点Dの座標を求めるときは、z座標が1と決まっているので、
      ODv=(p, q, 1)
    とおいて、内積条件に変換したOAとODの垂直条件と、OCとODの内積条件から、pとqの連立方程式を立て、それを解くという形が一番早いんじゃないかと思います。

    求めたODvからその絶対値を求めると、|ODv|=2であることがわかります。OCv・ODv=2√6は与えられており、|OCv|=2√6も先に求めているので、ベクトルの絶対値及び内積と余弦の関係式から、
      cos∠COD=OCv・ODv/(|OCv|・|ODv|)
      =2√6/(2√6・2)=1/2
    となるので、∠COD=60°とわかります。

    四面体の高さを出す問題。Dから平面αに引いた垂線の足をHとおいてみると、DHが求める高さということになります。ここで「αとβは垂直であるので」という記述が大きな手掛かりを与えてくれています。

    βはDを含んでいるので、Dからαに引いた垂線DHは、αと垂直な平面βに含まれています。すると、Hはαにもβにも含まれているわけですから、αとβという二つの平面の交線上にHは位置しています。ところで、OとCもαとβの両方に含まれているわけですから、αとβの交線とは直線OCのことに他なりません。つまり、Hは直線OC上の点なんです。

    更に、DH⊥αで、OCがα上の直線であることを考慮すると、DH⊥OCです。すると、△DOHは∠DHO=90°の直角三角形になります。しかも、HがOC上にあるので、∠HOD=∠COD=60°です。なので、△DOHは30°、60°、90°の直角三角形になります。斜辺に当たるODの長さは2であることを求めていれば、直角三角形の辺の比から、DH=√3であることが導けます。

    四面体DABCの高さが求められたので、体積計算に必要になるのは、底面ABCの面積だけです。△OACがOA⊥OCの直角三角形でOAやOCの長さは先に求めさせられており、更に台形OABCの面積を先に求めさせられていますから、
      △ABC=(台形OABC-△OAC)
    で計算するのが早いんじゃないかと思いますね。

    【追記:最初はそう思ってたんですが、よく考えたら、BCの長さは台形の面積計算の時に出してますし、それを底辺とした場合の高さOCの長さも先に導いていますから、
      △ABC=BC×OC/2
    で計算した方が早いですね。なぜか気づきませんでした…(^^;】

    後は、すいの体積公式を使えばよいということになります。



    以上でしたー。

    今年の受験生はもう悔やんでも仕方がないので、2次や私立の試験に集中していきましょう。

    来年以降の受験生は、センター試験から大学共通テストへの変更が予定されています。どう変わるのかまだよくわからないので、対策が難しいですね。ただ、記述式試験の導入は見送られて、共通テストもセンター試験と同じマーク式ということになりました。なので、共通テストもセンターにある程度似た問題にはなるだろうとは思うので、その対策は、取りあえず今までのセンター対策でよいのではないかと思います。センター過去問の訓練も行っておくのが大切ではないかと思う次第です。

    PR

    お名前
    タイトル
    文字色
    URL
    コメント
    非公開コメント
    [44]  [43]  [42]  [41]  [40]  [39]  [38]  [37]  [36]  [35]  [34


        ◆ graphics by アンの小箱 ◆ designed by Anne ◆

        忍者ブログ [PR]