エース家紋ビスケットで最上家の家紋として紹介されたのは「丸に二つ引き」という家紋です。「
エース家紋ビスケットの謎(1)」で示した二番目の写真の中の、家紋一覧の右下にある、丸に二つ線の入ったものが「丸に二つ引き」。
しかし、家紋に詳しい人がこの家紋から普通イメージする家は、最上ではないと思います。「丸に二つ引き」から通常真っ先に思い浮かぶのは、室町時代に将軍家になった足利家なんです。
それではなぜ、足利家の家紋が最上家の家紋にもなったのか?足利家の一族に斯波家というのがあります。室町時代になると管領(将軍の筆頭補佐官)にしばしばなった家です。この斯波家の一族が、室町時代に東北にやって来て、陸奥国を統括する奥州探題という役職につき、大崎家と名乗るようになりました。その一族が最上家なんですね。つまり、最上家は足利家の一族の一族の一族なので、足利一族なんです。ということで、足利家の家紋が最上家の家紋にもなったわけですね。
足利一門だったら、たいてい「丸に二つ引き」なんです。この家紋を持った戦国大名として、最上義光以外に有名なのは、今川義元ですね。今川家は、足利家の一族である吉良家(『忠臣蔵』の吉良上野介の家)の一族なので、やっぱり足利一族なんですね。足利一族は室町時代に全国に広がったので、「丸に二つ引き」は室町時代の後期から始まった戦国の世にはよく登場するんです。
以上で、この話題はおしまい。
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